構造計算は3種類ある

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    構造計算とは

    建物そのものの重さや、積雪時の重さ、家具を設置したときの重さなどによって、建物がどう変形し、どう応力が生まれるのかを計算し、安全性を確かめること

    地震に対する建物の強度を数値化することを指します。

    構造計算は具体的に「何を」計算しているのか?

    こんな感じです。

    水平荷重:横軸に受ける荷重のこと

    ・地震力

    ・風圧力

    鉛直荷重:縦軸に受ける荷重のこと(重力と同じ方向)

    ・積雪荷重(積もる雪の重さ)

    ・固定荷重(建物そのものの重さ)

    ・積載荷重(床に乗るもの、人や家具などの重さ)

    人々を混乱させる建築業界の基準

    もうこれが本当にわかりづらい。

    なにせ、勉強不足な営業マンや設計士はこのことを知らなかったりします。

    これを見てください。

    耐震等級

    耐震等級3という言葉は聞いたことがあると思います。

    耐震等級1、耐震等級2、耐震等級3とあって、一番強いのが耐震等級3です。

    耐震等級1の1.25倍の強さが、耐震等級2です。

    耐震等級1の1.5倍の強さが、耐震等級3です。

    ここまでは、有名なお話です。

    でも、耐震等級の計算方法は実は3種類ある、ってことは多くの人が知らないと思います。

    3つの構造計算を解説

    では、それぞれの計算方法について簡単に解説いたします。

    素人は詳しい計算内容など知る必要はないと思います。

    どの計算方法が一番強いか、どの計算方法がヤバいか、わかっていれば問題ないと思います。

    【壁量計算】

    壁の量を計算して耐震性能を割り出す手法です。

    この計算では、耐震等級1までしか保証されません。

    ただ、壁の量を増やしても、確かに地震に対して強くはなりますが、耐震等級2相当、耐震等級3相当という呼び方になります。

    【性能表示計算】

    住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)で「住宅性能表示制度」が定められています。

    第三者の専門機関が住宅の性能を評価し、購入者に分かりやすく表示する制度です。

    そこで用いられている計算手法が性能表示計算です。

    壁の量以外にも色々と考慮した上で、耐震等級3が保証されます。

    大手ハウスメーカーは型式適合認定というものを取得しています。

    型式適合認定とはすなわち「住宅性能表示制度」に準拠しているということです。

    【許容応力度計算】

    最も精密な耐震等級の計算方法です。

    性能表示計算より細かく、柱や梁の1本1本の耐久力までも計算します。

    この計算方法で出した耐震等級3が “計算上” 最も強いです。

    構造計算についてまとめ

    ざっくりまとめるとこんな感じですね。

    ・ヤバい計算方法【壁量計算】

    ・良い計算方法【性能表示計算】

    ・一番地震に強い計算方法【許容応力度計算】

    危険なワード

    「耐震等級3相当」というワードを聞いたら「怪しい」と思ってください。

    具体的にどんな構造計算方法か確認しましょう。

    仕様規定とか、構造計算は構造計算だよ、などとごまかしてくるような工務店なら、そこで建てない方が良いですね。

    どこまで目指すべきか

    個人的には耐震等級3が良いと思います。

    耐震等級3なら、性能表示計算でも、許容応力度計算でも、地震には十分強いです。

    より地震に対する強さを求めるなら、許容応力度計算が良いかなと思います。

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