床下エアコンは本当に良いのか
床下エアコンとは?
床にエアコンを半分だけ埋め込む
床下エアコンとは、床下空間を利用して各居室に空気を送る空調システムのことです。
床下エアコンは専用のエアコンではなく、市販の壁掛けエアコン1台を床に半分埋め込む形で設置して使います。
床を暖めて、家全体を暖める
床から暖めるという点では床暖房と似ていますが、暖めた空気を床下全体に循環させながら滞留することで床を暖めるため、床下暖房と呼ばれ、基礎の内側を暖める仕組みです。
この床下エアコンは、もともと寒冷地で普及してきたシステムですが、高気密・高断熱の住宅が増えたことで全国的にも使われるようになってきました。
床の吹き出し口はすべての居室はもちろん、クローゼット、トイレ、洗面脱衣室などにも設置できます。
床の吹き出し口("がらり"と呼ぶ)
床下エアコンに必要な家の仕様
通常の家の作り方とは違い、下記のようなことが必要です。
- 基礎断熱
- 空気の流れを阻害しない基礎レイアウト
- 家全体の高断熱化(UA値でHEAT20 G2くらい)
- 家全体の高気密化(C値で0.6~0.7以下)
- 床下エアコンの実績(20棟以上の経験があると良いらしい)
床下エアコンのメリットとデメリット
メリット
- 家全体を均一に暖めることが出来る
- 床がほんのり暖かいので気持ちいい
- 市販のエアコンで良いので床暖房よりコスパが良い
- 床仕上げを選ばないので、どんな無垢フローリングでも使用可能になる
デメリット
- 夏は使えない(冷房では使えない)
- 床下エアコンで2階は暖まらない(解決するにはそれなりの工夫が必要で難易度が高い)
- 床下エアコンのフィルター清掃作業がしにくい
- 床下の吹きだし口を設置する必要がある
- 基礎内を時々掃除しなければならない
- 床暖房のような床面が触って感じるような暖かさにはならない
床下エアコンは本当に良いのか?
私は不要だと考えます
まず、単純にデメリットの方が多いですよね。
そして、ちゃんとした高断熱高気密の家がつくれるなら、そもそも床暖房は不要ですし、同じ理由で床下エアコンも不要です。
パッシブデザインを取り入れれば、冬場は日射取得だけで部屋を暖めることができます。
我が家のリビングもそうなっています。
冬場の天気が悪い時は、部屋に取り付けたエアコンを使えば良いのです。
どうせ、夏場のエアコンは必ず使うわけですし。
床下エアコンは余計な設備です。
床下エアコンが得意な工務店のみアリ
自分のホームページやYoutubeで床下エアコンについての情報発信してしまうような工務店で採用するのはアリです。
床下エアコンの実績もたくさん(数十棟)あって、施主からのフィードバックをもらいながら常に改良を重ねていることも大事です。
そんな工務店は数えるくらいしかないと思いますが・・・。
でも、本当に床下エアコンがアリなのはこのパターンのみです。