検証 財務省の近現代史~政治との闘い150年を読む~(倉山満)
財務省はなぜ、デフレ下で増税を目指すのか
日本は平成から続く、デフレ経済に悩まされ続けています。
現在は令和4年ですので「失われた30年」となりましたが、相変わらず財務省は増税・緊縮財政を狙っています。
残念ながら、日本は「失われた40年」へ進もうとしています。
財務省は何のために働いているのか
いつも疑問に思うのですが、財務省官僚はいったい何のために仕事をしているのか、ということです。
実は、今も財務省職員の大半は「日本のために」と思って必死に働いています。
そして、デフレ下での増税は財務省の総意では決してありません。
大蔵省、栄光の歴史
大蔵省は明治維新以来、日本の近代化を支え、間違った時流に抗し、敗戦から高度経済成長の反映へと日本を導いてきた組織です。
しかし、今の財務省の職員はそのような大蔵省の栄光の歴史を忘れてしまっています。
なぜ、財務省は変わってしまったのか
本書『検証 財務省の近現代史~政治との闘い150年を読む~(倉山満)』を読めば、なぜ、財務省がこうなってしまったのか分かります。
その原因はまさに、本書のタイトルにもある通り「政治との闘い」にあります。
もともと、大蔵省に増税の遺伝子など存在しませんでした。
それがなぜ、今の財務省は事あるごとに増税を推し進めようとするのか。
財務省は誰と闘い、そして変わってしまったのか、それを知ることで、本当の意味での処方性も見えてきます。
本書は間違いなく名著
大蔵省が過去に何をしてきたかを知れば、今の日本に必要なことも自ずと見えてきます。
筆者は「日本救国の処方性」として、今の財務省を変えるための、まさに具体的な解決策を提示しています。
本書『検証 財務省の近現代史~政治との闘い150年を読む~(倉山満)』は間違いなく名著です。
各章の概要
本書『検証 財務省の近現代史~政治との闘い150年を読む~(倉山満)』では、章末に大事なポイントを分かりやすく3点にまとめているます。
以下にその内容を転載させて頂きます。
第1章のポイント
- 大蔵省は、税金を集める専門家集団として誕生した。
- 大蔵省の強さの秘密は、徴税権と予算編成権、影響力の源泉は情報と人事。
- ただし、最終的な予算権限を握る衆議院には振り回されっぱなしだった。
第2章のポイント
- 「憲政の常道」で衆議院が予算に反対しなくなると、大蔵省主計局が花形官庁になった。
- 史上最強の大蔵大臣となった井上準之助の前に、陸海軍は戦々恐々としていた。
- 経済失政の見本のような濱口雄幸や井上準之助でさえ、増税だけは行わなかった。
第3章のポイント
- 高橋是清と大蔵省は、政治的発言力を増す陸軍の前に立ちふさがり、勝利した。
- 馬場鍈一と近衛文麿が策動し、国際情勢はソ連にだけ都合よく展開した。
- 恒久的増税の仕掛けにより、日本は負けるまで戦うハメになった。
第4章のポイント
- 占領前半期、大蔵省は社会主義者の巣窟だったGHQを手玉に取った。
- 「健全財政」の目的は、「経済による国民統合」により日本を立ち直らせることだった。
- 戦後日本の権力とは、アメリカ・自民党・大蔵省主計局。
第5章のポイント
- 池田勇人は強い指導力で国民を結集し、日本を復興と高度経済成長に導いた。
- 高度経済成長により豊かになった日本に、ソ連は付け入る隙を見つけられなくなった。
- 高度成長の鬼っ子、田中角栄は徐々に大蔵省を侵食していった。
第6章のポイント
- 大蔵省も日本国憲法と内閣法制局の壁は越えられず、財政破綻の端緒を作ってしまった。
- 三角大福の政争に振り回された大蔵省は、万策が尽きて増税路線に追い詰められた。
- 無制限のバラマキを続ける田中角栄を尻目に、大蔵省はひそかに増税を狙っていた。
第7章のポイント
- 大蔵省は田中角栄打倒と消費税導入で、竹下登に巨大な借りを作ってしまった。
- 国民福祉税は、バブル崩壊と北朝鮮危機という最悪のタイミングで打ち出された。
- 斎藤次郎が竹下登に負け、大蔵省は竹下派に徹底的に痛めつけられた。
第8章のポイント
- 日銀法改定の平成十年が日本の運命の年、日銀の独走が止まらなくなった。
- 日銀は小泉を裏切り、安倍を潰し、親中派政権を樹立した。
- 日本を救うには、財務省が目覚め、「日銀法再改正」と「財金再統合」をやるしかない。