逆にしたらよくわかる教育勅語(倉山満)

こんな人向けの本です

教育勅語なんて知らない。

聞いたことあるけど "なんとなく" 怖い。

と思っている方に向けて、本書『逆にしたらよくわかる教育勅語(倉山満)』は書かれています。

逆・教育勅語

そこで、筆者は「もし教育勅語と逆のことが教えられていたら」という意味で、「逆・教育勅語」を書いています。

  1. 親に孝養をつくしてはいけません。家庭内暴力をどんどんしましょう。
  2. 兄弟・姉妹は仲良くしてはいけません。兄弟姉妹は他人の始まりです。
  3. 夫婦は仲良くしてはいけません。じゃんじゃん浮気しましょう。
  4. 友だちを信じて付き合ってはいけません。人を見たら泥棒と思いましょう。
  5. 自分の言動を慎しんではいけません。嘘でも何でも言った者勝ちです。
  6. 広く全ての人に愛の手をさしのべてはいけません。わが身が第一です。
  7. 職業を身につけてはいけません。いざとなれば生活保護があります。
  8. 知識を養い才能を伸ばしてはいけません。大事なのはゆとりです。
  9. 人格の向上につとめてはいけません。何をしても「個性」と言えば許されます。
  10. 社会のためになる仕事に励んではいけません。自分さえ良ければ良いのです。
  11. 法律や規則を守り社会の秩序に従ってはいけません。自由気ままが一番です。
  12. 勇気をもって国のため真心を尽くしてはいけません。国家は打倒するものです。

筆者の倉山満氏はこれを書いた後、以下のように述べています。

なんだ、戦後民主主義の行き着く先ではないか。。。
ついでにアメリカンデモクラシーとか、グローバリズムとか、儒教思想(実は韓非子)も混ざっている。
たぶん上の「逆・教育勅語」は、マッカーサーとスターリンと宮沢俊義の合作に違いない。(中略)
現代日本で実現している、今の日本そのものではないか。

教育勅語の原文

では、本物の教育勅語を読んでみましょう。

現物はこちらです。

口語訳

著書『逆にしたらよくわかる教育勅語(倉山満)』より引用しました。

朕思うに、我が皇祖の建国の業は遠大にして、徳を確立した心は深く、また厚い。わが臣民はよく忠義にして、孝にあつく、全国民が心を一つにし、代々その美徳を実践してきたことは、わが国体の精華であって、また教育の源は、実にここに存する。
爾ら臣民は、父母には孝、兄弟には友愛、夫婦は和合し、朋友信じあい、恭謙をもって自己をただし、人々に博愛を広め、学問を修め、職業を習い、もって智能を啓発し、人格を完成し、進んで公益を広め、社会で義務を果たし、つねに憲法を重んじ、国法に従い、いったん有事の際は進んで奉公し、もって永遠不滅の皇運を扶け護るべし。
それはひとり朕の忠良なる民というのみならず、爾の祖先の遺した伝統を顕彰することになる。
この道は、じつに我が祖先の遺訓であり、皇室の子孫もまた臣民も、ともに守るべきことである。
古代より現在まで通じ、過たずこれを内外に行ってそむくことなく、朕も爾臣民とともによくよく心に銘じ、皆がこの徳目をひとしく実現することを願う。

教育勅語12の徳目

教育勅語ではその中で12の徳目が述べられています。

  1. 親に孝養をつくしましょう(孝行)
  2. 兄弟・姉妹は仲良くしましょう(友愛)
  3. 夫婦はいつも仲むつまじくしましょう(夫婦の輪)
  4. 友だちはお互いに信じあって付き合いましょう(朋友の信)
  5. 自分の言動をつつしみましょう(謙遜)
  6. 広く全ての人に愛の手をさしのべましょう(博愛)
  7. 勉学に励み職業を身につけましょう(修学習業)
  8. 知識を養い才能を伸ばしましょう(智能啓発)
  9. 人格の向上につとめましょう(徳器成就)
  10. 広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう(公益世務)
  11. 法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう(遵法)
  12. 正しい勇気をもって国のため真心を尽くしましょう(義勇)

どれも一般的に正しいものです。これのどこが軍国主義なのでしょうか。

本書の構成

本書『逆にしたらよくわかる教育勅語(倉山満)』は教育勅語の12の徳目に沿って、章立てがされています。

「逆・教育勅語」の世の中が良いのか、教育勅語の世の中が良いのか、どっちがいいですか?

この本を読んで、私は考えさせられました。