逆にしたらよくわかる教育勅語(倉山満)

こんな人向けの本です
教育勅語なんて知らない。
聞いたことあるけど "なんとなく" 怖い。
と思っている方に向けて、本書『逆にしたらよくわかる教育勅語(倉山満)』は書かれています。
逆・教育勅語
そこで、筆者は「もし教育勅語と逆のことが教えられていたら」という意味で、「逆・教育勅語」を書いています。
- 親に孝養をつくしてはいけません。家庭内暴力をどんどんしましょう。
- 兄弟・姉妹は仲良くしてはいけません。兄弟姉妹は他人の始まりです。
- 夫婦は仲良くしてはいけません。じゃんじゃん浮気しましょう。
- 友だちを信じて付き合ってはいけません。人を見たら泥棒と思いましょう。
- 自分の言動を慎しんではいけません。嘘でも何でも言った者勝ちです。
- 広く全ての人に愛の手をさしのべてはいけません。わが身が第一です。
- 職業を身につけてはいけません。いざとなれば生活保護があります。
- 知識を養い才能を伸ばしてはいけません。大事なのはゆとりです。
- 人格の向上につとめてはいけません。何をしても「個性」と言えば許されます。
- 社会のためになる仕事に励んではいけません。自分さえ良ければ良いのです。
- 法律や規則を守り社会の秩序に従ってはいけません。自由気ままが一番です。
- 勇気をもって国のため真心を尽くしてはいけません。国家は打倒するものです。
筆者の倉山満氏はこれを書いた後、以下のように述べています。
なんだ、戦後民主主義の行き着く先ではないか。。。
ついでにアメリカンデモクラシーとか、グローバリズムとか、儒教思想(実は韓非子)も混ざっている。
たぶん上の「逆・教育勅語」は、マッカーサーとスターリンと宮沢俊義の合作に違いない。(中略)
現代日本で実現している、今の日本そのものではないか。
教育勅語の原文
では、本物の教育勅語を読んでみましょう。
現物はこちらです。
口語訳
著書『逆にしたらよくわかる教育勅語(倉山満)』より引用しました。
朕思うに、我が皇祖の建国の業は遠大にして、徳を確立した心は深く、また厚い。わが臣民はよく忠義にして、孝にあつく、全国民が心を一つにし、代々その美徳を実践してきたことは、わが国体の精華であって、また教育の源は、実にここに存する。
爾ら臣民は、父母には孝、兄弟には友愛、夫婦は和合し、朋友信じあい、恭謙をもって自己をただし、人々に博愛を広め、学問を修め、職業を習い、もって智能を啓発し、人格を完成し、進んで公益を広め、社会で義務を果たし、つねに憲法を重んじ、国法に従い、いったん有事の際は進んで奉公し、もって永遠不滅の皇運を扶け護るべし。
それはひとり朕の忠良なる民というのみならず、爾の祖先の遺した伝統を顕彰することになる。
この道は、じつに我が祖先の遺訓であり、皇室の子孫もまた臣民も、ともに守るべきことである。
古代より現在まで通じ、過たずこれを内外に行ってそむくことなく、朕も爾臣民とともによくよく心に銘じ、皆がこの徳目をひとしく実現することを願う。
教育勅語12の徳目
教育勅語ではその中で12の徳目が述べられています。
- 親に孝養をつくしましょう(孝行)
- 兄弟・姉妹は仲良くしましょう(友愛)
- 夫婦はいつも仲むつまじくしましょう(夫婦の輪)
- 友だちはお互いに信じあって付き合いましょう(朋友の信)
- 自分の言動をつつしみましょう(謙遜)
- 広く全ての人に愛の手をさしのべましょう(博愛)
- 勉学に励み職業を身につけましょう(修学習業)
- 知識を養い才能を伸ばしましょう(智能啓発)
- 人格の向上につとめましょう(徳器成就)
- 広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう(公益世務)
- 法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう(遵法)
- 正しい勇気をもって国のため真心を尽くしましょう(義勇)
どれも一般的に正しいものです。これのどこが軍国主義なのでしょうか。
本書の構成
本書『逆にしたらよくわかる教育勅語(倉山満)』は教育勅語の12の徳目に沿って、章立てがされています。
「逆・教育勅語」の世の中が良いのか、教育勅語の世の中が良いのか、どっちがいいですか?
この本を読んで、私は考えさせられました。