転職前にやってみよう② – VirtualBox / Linux –

それでは、「転職前にやってみよう」シリーズの第2弾は、VirtualBox で Linux サーバーを立ててみる、になります。
第2回は「VirtualBox」上に「Linus」サーバーを構築します。
まずは、日本国内で使用されているサーバーOSのシェアですが、WIndowsとLinuxで比較した場合には、圧倒的にLinuxの方が多くなります。細かい数字についてはサイトによって幅があります。「サーバー」「OS」「シェア」「Linux」「Windows」でインターネットを検索してみてください。
ここではそのLinuxのOSの中でも、フリー(無料)でダウンロードできるCentOS7で、VirtualBox上にサーバーを構築したいと思います。
ここでのゴールはVirtualBox上の仮想マシンにログインして、インターネットに接続できることを確認することとします。
VirtualBoxの仕組み
作業に入る前に、これからどのような作業を行うのか、全体像を把握しておくと頭に入りやすくなります。何も分からないまま手を動かしても、後から同じことをやろうとしたときに必ずハマります。
上記のような構成でサーバーを構築するとイメージしてください。といっても、初心者の方には難しい内容が多く含まれています。分からないことはインターネットで調べたりしながら進めてください。
ネットワーク(「Host Only Adapter」と「NAT」)
まず、サーバーを構築する上ではネットワークの基礎を把握している必要があります。自分のパソコンのNIC(Network Interface Card)と自宅のルーターをLAN(またはWiFi)で繋ぐことでインターネットが利用できるようになります。
VirtualBox上の仮想マシンも同様です。仮想マシンのNICと自宅のルーターを繋ぐことができればインターネットに繋げることができます。仮想マシンのNICはVirtualBoxマネージャーで作成することができます。図でいうところの、オレンジ色の「Host Only Adapter」とブルー色の「NAT」です。
ブルー色の「NAT」は「自分のパソコン」のNICと接続しておりインターネットに繋がっています。一方で、オレンジ色の「Host Only Adapter」は「自分のパソコン」と仮想マシンを繋いているだけです。
「Host Only Adapter」と「NAT」の詳細については、ここで書くと長くなってしまいますので今回は省かせていただきます。いつか、別の記事で紹介できればと考えておりますが、「VirtualBox」「Host Only Adapter」「NAT」等で検索いただければ、図を用いた分かりやすい解説ページがたくさん出てくるかと思いますのでご確認いただければと思います。
外側と内側にネットワークを分ける理由
ここでは分かりやすくオレンジ色の線を内側のネットワーク、青色の線を外側のネットワークと理解してください。このように設定する理由は二つあります。
- セキュリティを高めるため
- 利便性を高めるため
セキュリティの観点としては、「自分のパソコン」を外部に持ち出した場合も、外から仮想マシンが見えないようにしています。仕事の開発環境で利用している場合、外から盗みみられないようにしたいですね。
また、自宅や仕事場、喫茶店など色々な場所でインターネットに接続する場合にはNATが便利です。私の場合は、普段は自宅と会社(本社や常駐先と様々)で使っていますが、休みの日などには喫茶店などでもPCを開きます。
ブリッジ接続を使用していると、接続するネットワーク環境によって色々と問題が発生します。※Host Only Adapter や NAT とは別にブリッジというネットワークの設定方法も存在ます。
仮想マシンを作成します
さて、ここから実際に設定を行っていきます。まずは、OSをダウンロードしましょう。※注意※ダウンロードするISOファイルの容量は3GBを超えますので、インターネットの下り回線が細いと数時間と掛かる場合があります。
①URLへ移動したら、「DVDISO」を選択します。
②ここでは「ftp.riken.jp」(理化学研究所)のURLを選択します。
ダウンロードが完了したら、ISOファイルをダウンロードフォルダから任意のフォルダに移動します。ここまでやって初めてCentoOS7のインストールに進むことができます。
VirtualBoxでCentOSの器を作成する
通常のPCは、ディスクとメモリーとCPU、キーボード、液晶画面といった部品が必要になります。VirtualBoxでは、ディスクとメモリーだけを設定すれば、自動的に仮想PCを作ってくれます。
まずは、仮想PCを作成します。その後、先ほどダウンロードしたCentOS7をインストールしていきます。
①VirtualBoxを起動したら「新規(N)」を実行します。
②「Name」を任意に設定し「次へ」を実行します。
③メモリーを割り当てます。2GB(2048MB)以上を設定し「次へ」を実行します。
④「仮想ハードディスクを作成する(C)」で作成します。
⑤「VDI」を選択して「次へ」を実行します。
⑥「可変サイズ」を選択し「次へ」を実行します。
⑦「フォルダ名」を任意に入力して「作成」を実行します。
⑧このように仮想マシンが作成されます。メインメモリーやストレージの容量が正しく設定されていることを確認します。
CentOS7をインストールします
さて、ここまでの状態を整理します。ここまでで作成したのは仮想マシンです。入れ物を作ったような状態ですね。イメージ図を描くと以下のようになります。
そして、以下の図が完成イメージです。足りないものはネットワークアダプターとCentOS7ですね。それをこれから設定していきます。
仮想マシン起動までの設定
⑨VirtualBoxマネージャーで「設定(S)」を実行します。
⑩「ストレージ」で「コントローラ」の「空」ディスクを選択します。「光学ドライブの右端にある青井ディスクアイコン」をクリックし「仮想光学ディスクを選択」を実行し、先ほどダウンロードしたCentOS7のISODVDファイルを選択します。
⑪「ネットワーク」を選択し「アダプター1」の割り当て(A)を「NAT」に設定します。
⑫「ネットワーク」を選択し「アダプター2」の割り当て(A)を「ホストオンリーアダプター」に設定します。
⑫VirtualBoxマネージャーの最初の画面に戻り、左上の「ファイル」から「ホストネットワークマネージャー(H)」をクリックします。「アダプターを手動で設定(M)」を選択し、IPアドレスを設定してください。ここでは「IPv4アドレス:192.168.56.1」「IPv4ネットマスク:255.255.255.0」としています。ネットワークに詳しくない方は同じように設定してください。
⑭VirtualBoxマネージャーの最初の画面に戻り「起動(T)」を実行します。
⑮CentOS7のインストール画面が立ち上がりますので「Install CentOS 7」を選択してください。これで、CentOS7のインストールが始まります。
CentOS7の起動パラメータを設定します
⑯インストール前のパラメータ設定画面が表示されます。
⑰言語は日本語を選択し「続行(C)」を実行します。
⑱システムの「インストール先(D)」を実行します。
⑲「完了(D)」を実行します。
⑳「ネットワークとホスト名(N)」を実行します。
㉑イーサネット(enpOs3)の設定で右上のボタンを「オン」にします。
㉒イーサネット(enpOs8)の設定で右下の「設定(O)」を実行します。
㉓「IPv4のセッティング」で「方式:手動」を選択し、アドレスに追加で「アドレス:192.168.56.2」「ネットマスク:24」「ゲートウェイ:192.168.56.1」を入力します。最後に右下の「保存(S)」を実行します。
㉔イーサネット(enpOs8)の設定で右上のボタンを「オン」にします。すると先ほど設定した情報が画面に表示されることを確認します。続いて、左下の「ホスト名(H)」に任意のホスト名を入力します。最後に左上の「完了(D)」を実行します。
㉕「インストール開始(B)」を実行します。
㉖rootパスワードとユーザー作成を行ってください。ここで入力したパスワードやユーザー名は控えておいてください。
㉗インストール完了までしばらく待ちます。
㉘インストールが完了したら再起動を実行します。
以上で、VirtualBoxへのCentOS7のインストールは完了です。続いて、簡単な動作確認を行います。
CentOS7のインストール後の稼働確認
確認①作成したユーザーでログインします。
Linuxでは基本的にコマンドラインでの操作となります。この画面にも慣れるようにしましょう。先ほど作成したユーザーとそのパスワードを入力します。
続いて以下のように、コマンドを入力していきます。結果が同じように得られれば設定は成功しています。異なる結果になった場合は、コマンドやコマンドの結果をインターネットで調べてみてください。
以上でVirtualBoxへのCentOS7のインストールは完了です。