2022-05-20 マイホーム2 お金の真実
家を建てるためにお金のことは避けて通れません。
家づくりで最初に必要なこと
それは、家にまつわる「お金の真実」を知ることです。
家に掛かる費用
家を建てる費用だけなら5,000万円かもしれません。
しかし、実際は税金、修繕費、保険料などの維持費が掛かります。
その維持費が約40万円と言われることもあります。
仮に35歳で家を建てて60年住むと仮定すると、その維持費だけで総額2,400万円という計算になります。
つまり、家を建てる費用が5,000万円でも、60年で見れば7,400万円です。
家のランニングコストを調べてみる
「一戸建て 60年 ランニングコスト」といったワードでgoogle検索してみてください。
家を60年も維持するって、結構な費用が掛かるのです。
その点、賃貸は維持費がありません。持ち家と賃貸では圧倒的に賃貸の方が得です。
お金がすべて
自分の家を建てたいと考えた場合は、最初にお金の問題を解決しないといけません。
注文住宅の価格上昇
現在(2022年)、注文住宅の価格は急上昇しています。
最大の理由はアメリカと中国で起きている住宅バブルです。
世界中の木材や鉄といった原料がアメリカと中国に買われていて、住宅を作るための材料費が高騰していました。
2021年からは、新型コロナウイルスの流行により、アメリカや日本では、リモートワークが加速し、郊外に家を建てる人が増えました。
2022年からは、ウクライナ戦争の影響により、ロシア産木材の輸入禁止で木材価格が上昇し、住宅価格の上昇が続いています。
今後、どこまで住宅価格は上昇し続けるのか、誰も予想することができません。
注文住宅の価格相場
大手ハウスメーカーで坪100万円以上です。
4人家族のケース
例えば、4人家族であれば、家の広さは延べ床面積で30坪あれば十分です。
庭有り、駐車場1台、ということであれば、40坪くらいの土地が必要です。
土地から探すとなると、だいたいこれくらいのお金が必要になります。
- 土地(40坪):3,200万円
- 本体工事費(30坪):3,000万円(坪単価100万円)
- 外構附帯工事費:300万円(土地の条件次第で変動)
合計で6,500万円ですね。
土地・ハウスメーカー・工務店によってはこれより高いかも知れないし、安いかも知れません。
あなたの予算は既に決まっている
本当に支払い可能ですか?
現在の手取り年収から、毎月支払い可能なローン金額を算出します。
総額6,500万円の借入の場合、金利1%、支払い期間35年で計算すると、毎月18万円の支払いが発生します。
加えて、毎年40万円の維持費も考えておく必要があります。
これらの支払いが難しければ、マイホームは諦めるしかありません。
年収で予算は決まる
残念ながら、自分の年収から予算は決まってしまいます。
35歳の年収ですと、こんな感じです。
- 年収が500万円なら4000万円
- 年収が600万円なら4800万円
- 年収が700万円なら5600万円
一般的に年収の8倍までが住宅ローンの借入限度額です。
日本人の正社員の平均年収は約500万円(2022年)ですので、予算は4000万円となります。
現在、住宅価格の上昇により、30坪である程度の性能を持った家だと約3000万円します。
付帯工事費を200万円とすると、残りが800万円ですが、この条件で良い土地を探すとなると厳しいです。
つまり、日本人の正社員の平均年収である年収500万円では、新たに土地を購入して、家を建てるのは厳しいということです。
もっと言えば、持ち家が欲しければ、夫婦で共働き、かつ世帯年収が1000万円以上が前提です。
もちろん、家族が土地を所有していたり、贈与が受けられる場合など、色々ありますので、必ずしも予算はこの限りではありません。
年収によって、人生は決まっています。
日本人の半分以上はマイホームを購入することができません。
賃貸の方がお得
家は建ててからが始まりです。家の維持費は年間40万円、60年で2,400万円と膨大になります。
また、土地がなければ家は建てられません。
その点、賃貸であれば、維持費もかかりませんし、土地代も必要ありません。
賃貸に住んでみて、気に入らなければ、引っ越せば良いだけです。
マイホームにこだわりがなければ、賃貸を選ぶ方が良いでしょう。
ライフプラン
潤沢な資金を持っている方は、ライフプランを作る必要性は低いでしょう。
しかし、私のような一般庶民は違います。
買ってから、やっぱり払えませんでした、ではどうしょうもありません。
ライフプランとは
ライフプランとは長期的な家計のキャッシュフローです。
世の中にはライフプランナーという方々がいて、家計の収入と支出から、自分用のライフプランを作ってくれます。
以下の図は月毎の収支ですが、これを年単位、一生涯でシミュレーションするのが、ライフプランです。
具体的に計算する項目(例)
現状の家計(収入、支出)を把握していることが前提です。
実際はもっと多岐に渡りますが、下記のように、将来にわたって発生する様々な項目を計上します。
- 毎月の家計支出(食費、光熱費、日用品、雑貨、医療費、衣服代、お小遣い、その他)
- 子供の進学する高校は私立か公立か
- 大学は文系か理系か、大学院への進学は
- 習い事は月にいくら掛かるか
- 投資信託、株式、保険など
- 自動車の購入、タイミング
- 年金の支払い状況がどうか
- 旅行にはどれくらい行くか
- 物価上昇率などの細かい設定
上記のような支出を加味した上で、3,000万円の家を購入した場合は破綻しないか、4,000万円の家を購入した場合は破綻しないか、などとシミュレーションしていきます。
ハウスメーカーの契約前にライフプラン作成を
私は、ハウスメーカーとの契約前にライフプランを作成してもらいました。
ハウスメーカーとの話が進むと、家の概算見積がもらえます。
だいたいの建物金額ですね。
ここまで話が進むと、ハウスメーカーから「そろそろ契約してください」と言われます。
ここで、一旦、立ち止まりましょう。
高いハウスメーカーに頼めるのか、ローコスト住宅メーカーにしか頼めないのか、そもそも家を買わない方が良いのか、それは、ライフプランを見てから決めましょう。
住宅FP関根
私はこの方にライフプラン作成をお願いしました。
我が家の家計について細かく伝えて、将来的に子育てにどらくらい金をかけるか、自動車はどうするか、などの前提情報を提供します。
その上で、建物価格○○○○万円だった場合、どのようなライフプランになるのか、気をつけることは何か、様々なアドバイスが受けられます。
実際に作ってもらったものがこちらです。
本当に参考になりました。
おしまい
ちょっと長くなりましたが、今回はこれにておしまいです。
家を建てるために、お金と向き合うこと、これは大前提です。
公務員であれば、生涯年収は決まってしまっているので、就職した時点で人生が決まっています。
こういうことを子供に教えておくべきだと思います。